矢印撮影機材について


使用しているカメラはデジタル一眼レフ(略称デジ一)のニコン D90です。
なぜ普通のコンパクトデジタルカメラではなく一眼レフなのかと言うと、単純に綺麗に写せるからです。
最近では高画質のデジタルカメラも出てきましたが、依然として一眼レフのほうが機能面や写りの面でも勝っており、 レンズを交換すれば、夜景撮影のみならず、マクロレンズや魚眼レンズによる様々な撮影が楽しめるという利点もあります。
その反面、一眼レフは重量が重く、値段が高いというリスクも持ち合わせています。
例として私の使用しているD90は18-105mmレンズ付きで11万ほどでしたが、
上位機種のニコンD3はボディのみで40万以上と高額です。レンズだけでもニコン純正であれば5万は下らない物が多く、
レンズを交換しないデジタルカメラと比べると、一眼にかかる費用は比べ物になりません。


矢印 A(絞り優先オート)とM(マニュアル)


カメラには様々な撮影モードがあります。
夜景撮影で使用するのは多くの場合、A(絞り優先オート)かM(マニュアル)の二つに絞られます。
絞り優先オートは、撮影者が設定した絞り(例F3.5〜F26)の設定とISO感度に合わせて、
カメラが自動的にシャッタースピードを周りの明るさに合わせてくれるというものです。
夜景撮影において展望台などから街を写す場合は大体F7〜F10が適切といわれています。
その絞りさえ設定してしまえば、シャッタースピードはカメラが自動的に測ってくれるので楽です。
しかし、絞り優先オートでも実物と同じような明るさにならなかったり、撮影者が故意に明るさを変えたい場合もあります。
特に夜景の撮影で絞り優先オートを使用すると、過剰露出を起こしがちです。
その場合は、M(マニュアル)を使用します。
次の写真は、必要に応じてマニュアルを使用した例です。

絞り優先
▲絞り優先オートでの撮影。
(絞りF9 シャッタースピード3秒
日の暮れた街に露出が合っているため、
まだ日没前の西の空が露出オーバーで写りました。
マニュアル
▲マニュアルでシャッタースピードを手動で設定。
(絞りF9 シャッタースピード1.3秒
少しシャッタースピードを短くすることで、
夕景と街の明かりを一枚に収めることができました。


矢印 ISO感度について


ISO感度は夜景のみならず、日常の撮影でも非常に重要な機能で、
感度を上げることにより、暗い場所でもシャッタースピードが短くて済みます。
ISO感度を上げて撮影する例として、速度の速い物体(動いている物体)をブレることなく撮影したい時や、
暗い場所で三脚を持っていないような時、又は混雑などで三脚が使えない時に用いられます。
具体的には、前者では通り過ぎて行く電車や車の撮影や、逆に車内から外の景色の撮影、
風が強い日の夜桜の撮影や紅葉の撮影が挙げられます。
後者では三脚を持っていないときに、たまたま夜景が綺麗な場所に遭遇したときや、
寺院などの夜間拝観で三脚の使用が禁止されている場所での撮影があります。


シャッタースピードが短くて済むなら常に感度を上げて撮影すればいいじゃないかという話になるかもしれませんが、
感度を上げての撮影は、シャッタースピードが短くて済む反面、画質が悪くなるという欠点も持ち合わせています。
そのため、その場に応じた感度設定が必要になります。
私のデジタル一眼レフではISO100〜3200まで調節可能で、(感度一万越えが可能な機種もあります)
元々は200に設定されていますが、三脚を使用しての夜景撮影ではIS0100に設定しています。
そうすることで車等の街明かりを増やすことができ、シャッタースピードが長いので例え撮影中に何かが横切っても
その影響を最小限にできます。また、ISO200より更に感度の低いISO100の方が綺麗な写真が取れるという説があるのも
理由の一つです。とはいえ、200と100ぐらいの差では、ぱっと見た限り画質の違いは殆どありません。
しかし感度の差が拡がってくると、ISOが高い写真にノイズが出ることがあります。
↓に例を挙げています。(クリックで拡大できます)


ISO感度を上げて写真にノイズが入った例


ISO 1500
▲絞り優先オートでの撮影。
(ISO1500 シャッタースピード1/1.3秒)
特にスポットライト周辺にノイズが入り、
全体的に写真が荒れていることがわかります。
ISO 200
▲絞り優先オートでの撮影。
(ISO200 シャッタースピード30秒)
無風だったのでススキがぶれることもありませんでした。
■因みに左の写真は春、右は秋撮影の清水寺

逆にISO感度を上げたほうが好ましい例


ISO 100
▲絞り優先オートでの撮影。
(ISO100 シャッタースピード25秒
風で竹が揺れてしまった影響で、
画質も良くないような印象を受けます。
ISO 500
▲絞り優先オートでの撮影。
(ISO500 シャッタースピード15秒
まだ少しブレていますが、更に感度を高めれば
シャッタースピードをもっと早くできます■写真は嵐山の竹林

矢印夜景の撮影とアクセサリ


夜景の撮影の際、禁止されている箇所以外では、基本的に三脚を、
時にはリモートレリーズ(リモコンまたはレリーズとも)も使用しています。
夜間の撮影で写真雑誌に載るような綺麗な写真を写すためには、三脚は必要不可欠なものになってきます。
ただし、紅葉・桜の時期の寺などの混雑する場所では三脚の使用が禁止されている場所があり、
そういった場所ではISO感度を高くして手持ちで撮影します。
使用している三脚はこちらプロ200 DX III


矢印 なぜ三脚が必要なのか


夜間の撮影は、昼間と違ってレンズに入ってくる光の量が著しく少なくなるため、
長い間露出(長時間露光)する必要があります。
ISO感度を上げれば少ない露光時間でも撮影できますが、画質は確実に落ちてしまいます。
そのためには明るさにも依りますが、数秒から数十秒間露出しなければなりません。
露出している間は分かり易く言えば「数十秒間動画を撮影しそれを一枚の写真にする」ようなことで、
その間に手持ち撮影等で少しでもぶれてしまうと、ブレた分だけ光の筋が写ってしまい、写真がぼやけてしまいます。
ISO感度を上げることでブレはある程度回避できますが、写真が荒れたりして鮮明な写真を撮ることは難しくなります。



矢印 三脚について


しかし三脚といっても何百という種類があります。
三脚はよりしっかりしたものほど高価で重量も重くなりますが、
逆に安さや軽さを求めすぎると、カメラの重さを支えきれずにちょっとした風でもすぐにブレてしまったりします。
更に、一眼レフの場合は始めは重さに耐えられても、望遠レンズなどの比較的重いレンズを買い足していく内に
重量が増して支えきれなくなることがあるので、強度にはある程度余裕を持った方が良いかもしれません。
私の場合は三脚を担いで山を登ったり、自転車で三脚を運ぶことがあるため、
重すぎず、しかしある程度カメラが支えられる程の重量と強度のあるものを・・と選んでいくうちに
今の三脚に行き当たりました。
他にも三脚を車で運べる場所用と持ち歩き用と使い分けている方もいます。
是非ご自分の目的に合った三脚をお選びください。


矢印 レリーズを使った撮影


三脚を使用した夜景の撮影でも、シャッターを押したときの小さな振動でブレてしまうことがあります。
その場合、レリーズを使えばカメラのシャッターボタンを直接押さずとも、リモートコントローラーで
シャッターを切ることができます。レリーズは安いものであれば新品でも1500円ぐらいで手に入ります。
しかし、タイマー撮影で2秒に設定すればそのブレは回避できるため、三脚ほど必須のアイテムではありません。
特にレリーズ撮影が推奨される場面は、星空や花火の撮影でのバルブ撮影
(レリーズのシャッターボタンを押している間中ずっと露光する撮影方法)が挙げられます。
特に星の周期運動を撮影したい場合、カメラに元々備わっているシャッタースピード限度(私の場合は30秒)では足りず、
数十分から数時間程のシャッタースピードが必要な長時間撮影ができません。
バルブ撮影を使えば、電池が持つ限り何時間でも露光することができます。
また、花火の撮影では、花火が破裂した瞬間から完全に開くまで露光するため、
花火の大きさや長さに応じてシャッタースピードを変える必要があります。

レリーズ不使用
▲レリーズを使わないマニュアル撮影。
(絞りF8 シャッタースピード13秒
シャッタースピードをその都度変更出来ず、
花火が重なってしまいます。
レリーズ使用
▲レリーズを使用したマニュアル撮影。
(絞りF6.3 シャッタースピード17.3秒
大きな花火の破裂から終わりまでを収めることができました。
左の写真の13秒だと、この規模の花火にはやや短いです。

矢印夜景撮影に行くときは・・


さぁいざ夜景の撮影にいこう、ということになったらまずこの先一週間の天気を調べます。
紅葉の時期の嵐山など、混雑が予想される地域はあえて平日に、平日でも混雑しそうな場所は
あえて雨の日を選んで撮影の計画をする場合もあります。

高台からの夜景の撮影では、撮影予定日当日になっても曇りや雨の場合は撮影を延期することが多く、
晴れの日でも霞んでいて視界が悪い場合は延期する場合があります。
撮影予定日前日には、カメラのレンジと保護レンズの汚れを確認し、電池容量に余裕があるか確認します。
撮影可能枚数が残り少なければ、必要ない写真を消して十分な容量を確保します。
カメラをカメラ用バッグに入れ、三脚の部品や特に忘れがちな雲台があるかを確認して、天候が整えばいざ撮影へ。


展望台などの高所からの撮影の場合、日没後20〜30分の夜景が一番美しいといわれています。
何故なら赤、橙、黄、青、黒といったコントラストと夜景を一枚に収めることができるからです。
その期を逃さないために、電車やバスの時刻を確認して日没前に早めに撮影地へ到着。
一番視界が広く、三脚の立てられそうな場所を選び、三脚を組み立て、カメラを設置し、レリーズを取り付けます。
レンズの手ぶれ防止機能がOFFなのを確認し、ISO感度(前回の撮影で高い値のままの場合があるので)
やホワイトバランス、ピントのA,M(オート、マニュアル)等を確認します。
また、この時点で既に保護フィルターが汚れていれば外します。撮影設定は、始めはA(絞り優先オート)ですが、
様々な明るさの写真を撮っておきたいので、大体はマニュアルにして自分で調節しつつ撮影します。
そしていよいよ夜景の撮影ですが、街明かりなどの被写体が遠く、暗い時はピントが合わないことがあるため
必要に応じてピント調節のマニュアルも使用します。(最近は殆どの場合マニュアルを使用します)
撮影は日没後、空が真っ暗になるまで行います。撮影時間は大体一時間から二時間です。
撮影が終われば三脚を元通り分解し、忘れ物やごみが出てないか確認し、帰路に着きます。


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